東京都調布市にある、豊かな緑に囲まれた「神代植物公園」と古刹「深大寺」。この二つのエリアの周遊を促進するため、「Stroly」が導入されました。 導入後、年間来園者数目標70万人を大きく上回る76万人を達成し、若年層の来園も増加。その成功の裏には、マップマネージャーの金川様による「2〜3日に1回」という驚異的な頻度での情報更新や、地域店舗を巻き込んだ地道な運用がありました。 今回は、金川様にマップ運用のこだわりや情報発信のコツ、そして地域への熱い思いを伺いました。
都会にとっても近い 豊かな森 広い空 季節ごとに変わる景色 心を穏やかにする 草や花 土の香り 東京都調布市 神代植物公園&深大寺公式デジタルマップです 隣接する古式ゆかしい深大寺やそば店 植物多様性センター 水生植物園 深大寺城をまるっと周遊して観光をお楽しみください
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バラ園をはじめ、神代植物公園&深大寺公式探索マップは、美しい植物のイラストの書き込みが圧巻ですよね。制作のプロセスでどんなこだわりがあったかお伺いしたいです。
植物のイラストは何度も書き直してもらいました。植物公園好きの人ってこだわりが強いから、私だったら許せるけど、ファンの人は許せないだろうと思って。特に多様性センターのスタッフはマニアの集まりなので(笑)。
例えば深大寺のイベントの絵も、だるま市開催時にはだるまの絵があったり、山門前にほおずきゲートが出てたら、ほおずきのゲートを作ったりとか、季節で色が変わるようにしてもらって。本当に細かい調整を何度もしました。大変でしたけど、完成した時は感動しましたよね。
そうだと思います(笑)
Strolyさんがロケハンに来てくださった時、まだ冬だったので花が咲いていない、冬枯れの状態だったんですよね。でもオーダーはすべての植栽の最盛期。なのに実際に見れず、ディレクションが大変だったと思います。
代わりに写真を大量にお送りしました。かわいそうでしたけど、ここまできてまあいいかってなるわけにいかないって、こだわってもらいました。
度々イラストを書き換えなくてもいいので、便利ですね。

入園者数の2割がマップを使ってくれることを目標にしていて、それは大体達成しているんです。嬉しいですね。去年の4月は1ヶ月で12,000人ぐらいだったのに、今年はGW期間だけでもう全然超えています。
動きとしては、まず深大寺を入口にして、植物公園に来てくれている方が多いのが特徴的ですね。QRコードにパラメータがついているので、どこで案内を見てマップにアクセスしてくれたのかわかるんです。アクセス元の1位が深大寺のホームページで。
現地でも、みんなが写真を撮る場所・深大寺の山門前や手水舎のところとか、バス停降りてすぐの案内板とか、目立って、必ず立ち寄る場所にQRコードを置いてもらっていることも効いているみたいです。植物公園の正門より、そちらからの利用が多いんですよ。
設置しているQRコードのポスターは、いつも拭いてきれいにしておくようにしています。色も時々変えていて、今はアサギ色という綺麗な緑色に変えていて。
スタンプラリーのポイントにしても、ただ「紅葉が綺麗です」じゃ当たり前過ぎて人は動かない。「どんな紅葉が見えるか」を書くことで「気になるし行ってみるか」ってなるかなと思って。
昨夏は非常に暑い中でも800人以上がスタンプラリーに挑戦してくれました。10代から70代まで参加していて、一番厚い層が30〜50代でしたね。
今まで神代植物公園のファン層は50〜70代だったんですが、最近の深大寺フィーバーで20〜30代、高校生・大学生のデートスポットにもなったんです。
深大寺でマップを知って、近くに植物公園があるのに気づき「ちょっとだけ行ってみる」ってなってくれている。若い人はネットに強いですから、スタンプラリーも自然に参加してくれます。神代植物公園のヘビーユーザーにもスタンプラリーは好評で。スポットをマニアックな場所にしたら、知らない場所がまだありました!みたいな。
今、今年の夏と秋のスタンプラリーの景品を作成中なんですよ。夏は蝶々の形のアクリルキーホルダーで、蝶々の部分だけ透明で、それを透かすと景色と蝶々が重なるというデザインです。
秋はそれのメジロ版を作って、新緑・紅葉・花の修景を透かしてもらい、蝶やメジロの色が変わるのを楽しんでもらいたいなと。
たくさんの人に参加してもらえるように、魅力的なものを作らなきゃ。今年は夏だけで1,000人の参加を目指しています。
あと、スタンプラリーでとったアンケートを、3ヶ月に一度開催している地域の情報連絡会で共有したんですが、それがとても好評でした。夏と秋の結果を比較して、「深大寺と植物公園が隣接していることを知った人の割合が増えた」みたいな変化を見せるとみんな喜んでくれて。
もともと、門の前に紙で1週間ごとの開花情報を出していたんですよ。それが大変で、デジタルなら全部パソコン上でできちゃうからいいと思って。お年寄りの方が使いにくいっておっしゃっても、門のスタッフが「頑張ってください、絶対できますよ」って励ましながらやってもらいました(笑)。
お客様から場所の問い合わせがあったら、今までは地図に手書きしていたんです。今はマップにスポットピンなどの目印がついているので「この目印のすぐ横ですよ」と案内できて、管理係の人たちがすごい楽になったって言っていました。
門のスタッフにマップのQRコードを名札の後ろに貼って「ここを読むといいよ」って案内してもらったり。従業員にもとにかく「こう使うと便利だよ」「利用率が上がったよ」とかを逐一共有して、モチベーションを高く持ってもらう意識でやっています。
地域のお店や、お寺のイベントにはとにかく顔を出しました。とりあえず会いに行く。そして、「ディズニーランドでも入り口でQRコードを読むんですよ」って説得して(笑)。「全部こちらでやるので、場所だけ貸してください」と。
本当にいい場所を貸してくださっているので、ポスターのデザインにも気を使っています。お寺ファンの人が写真を撮るのに「邪魔だな」と思われちゃいけないじゃないですか。お寺の中にある色、五式の幕の色(赤・白・黄色・緑・紫)でポスターを入れ替えるようにしています。来た人が気持ちよく過ごせる景観を保ちながら目立つように、というのは結構意識しています。

マップを導入してから、ご住職が、ネットニュースの記事で「深大寺はデジタルマップを導入している。歴史あるものと新しいものの融合が素晴らしい」と書かれているのを見て喜んでくださって。それから職員さんに「全面的にPRに協力しなさい」と言ってくれて。
新しいポスターにすると職員さんが「今度の色綺麗ですね」って言ってくださったり、台風が来たりすると1回どかしてまた戻してくれたりとかして。地域の方も「お寺さんがいいって言うんだったら、こっちもいいよ」という感じで、どんどん協力してくださるようになりました。
あとは情報連絡会の場で、マップの使用状況を発表していて。「こんなに見てくれています!」と、お蕎麦屋さんのランキングを見せたり。まだQRコードを設置していないお店さんとかが上位にいると「何も置いてないのに、こんなに高いところに」とかってプレッシャーをかけたりして(笑)。そしたら「QRコード持ってきていいよ」って。いまはほとんどのところが置いてくれるようになったんです。
深大寺の紹介で小田急バス・京王バスとの連携も叶いました。今は小田急と京王のバスの色でバス停のアイコンを作って、そこをクリックすると何分後にバスが来るか、どこ行きかもわかるようになっています。お蕎麦を食べながら「このバス停から乗るから、あと何分で出よう」みたいなことができるようになりました。ただ、深大寺周辺が谷で電波環境が悪いのがネックで。通信用のアンテナを立ててもらえないかと模索しています(笑)
着任当初からの課題で、深大寺城(深大寺周辺の水生植物公園)をもっと活用できないかと考えていたんです。1年目は深大寺城から狼煙の代わりに風船を上げて、それを小澤城から見えないか試したり。2年目の冬に調布市の歴史資料館の人から「利用者を増やしたいなら、御城印を作るとそれ目当てで回る人がいるよ」と言われて、じゃあと思って。でも、うちの深大寺城だけでやるのはつまらない。もっと誰かを巻き込まなきゃと。
丁度その頃、調布市観光協会のイベントで川崎市観光協会の人たちと交流する機会があって、「多摩川を挟んで深大寺城と小沢城は、歴史的に睨み合っていた。御城印を深大寺城で作るので、一緒にやりません?」って大きなスクリーンにサンプルを見せて発表しながら誘ったら、川崎市多摩区観光協会の会長さんが気に入ってくださって「もう一つ外せない城があるよ、仲間に入れてください」って。その日のうちに連絡先を交換してグイグイ進めたら(笑)、深大寺城と台紙の表紙は深大寺の御住職が、枡形城は年号「令和」の字を書いた方が御城印を書いてくれることになって。


仕事が大好きなんですよ。休みの日にリラックスしようと思って温泉に行ったりするんですけど、お湯につかっていると脳がすごく活性化されて、いいこと思いついちゃったりして、お風呂からあがったらすぐメモを取らなきゃってなって(笑)。
元々はデザインや写真を撮ったりっていうのが自分のできることだったんですが、今の出向元の会社に入って最初は経営企画に入れられちゃったんですよ。事業計画を立てて、その説明資料を作るとか、会社全体の取組のまとめ資料を作るとか。「元々やりたかったことと全然違う!」とは思いつつ、3年間我慢して(笑)。でもそこでトップの人たちの考えに触れる機会となって、「会社に足りないこと、求められていること」「成り立ち、歴史、成功するパターン」を学べたんです。
その知識をフルで神代植物公園に活かしているから、時間が濃密に感じます。「これをやるにはあそこに声をかければいい」ということが自然とわかる。あ、あの経験ってこういうことだったんだって思いました。
自分が携わった部署ごとに何らかの改革をしてきたので、神代植物公園に来たら何をやろうかなと思ってて。そしたらちょうどいいタイミングでイラストデジタルマップの話があって導入できたんです。ラッキーでした。
楽しかったですよね。なんでも言いたいことを言わせてもらって、それを受け入れてくださる感じで。異動して1年目だったので他にもやることがいっぱいあって、ギリギリにデータをバーって出したりして申し訳なかったんですけど(笑)。
でもマップを一般公開して、5月のバラの時期に一気に使う人が増えて。それがずっとキープされて、今年はもう去年の1ヶ月分を10日ぐらいで到達するぐらい使ってくださっているので、本当に導入してよかったなと感じています。
あとはマップがもっと軽くなればいいなということだけですかね。
※「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。